淵は言う、『それはわたしのうちにない』と。 また海は言う、『わたしのもとにない』と。
淵は言う、『それはわたしのうちにない』と。また海は言う、『わたしのもとにない』と。
大洋は、『ここにはない』と言い、 海は、『ここにもない』と答える。
深い淵は言う 「わたしの中にはない。」 海も言う 「わたしのところにもない。」
人はそこに至る道を知らない、 また生ける者の地でそれを獲ることができない。
精金もこれと換えることはできない。 銀も量ってその価とすることはできない。
これは自分のあとに光る道を残し、 淵をしらがのように思わせる。